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企画が通れば誰でもドラマプロデューサーに!|テレ東「中の人」ファイル

来週最終回を迎えるドラマ「神様のカルテ」のプロデューサーをしている田辺さんです。今では大活躍中の監督さんや脚本家さんと、初めてメインプロデューサーを務めた作品が忘れられないそうです!また一緒に作品を作るまで”負けられない”と燃えています。

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File.48 田辺勇人(年齢:30代)
所属:制作局ドラマ室
仕事内容:ドラマのプロデューサー業務。
現在放送中のドラマスペシャル「神様のカルテ」を担当。
過去作には…「望郷」、「新宿セブン」、「バイプレイヤーズ」シリーズ、「東野圭吾 手紙」、「ハラスメントゲーム」、「スパイラル」、「最後のオンナ」など。

神様のカルテ原作


ドラマ室では全員が企画を提出

Q1.テレ東のどんなところが好きですか?

“テレ東のドラマ室の好きなところ”で考えてみました。

すぐ思い浮かんだのは「仲が良い」ということです。

基本的にドラマの制作は、CP(チーフプロデューサー)、P(プロデューサー)、AP(アシスタントプロデューサー)が1人ずつで1つの作品を準備から放送まで担当します。

3人というものの個人商店的な動きになりますが、特に派閥やチームが分かれていることもないので、何かあれば全員で助け合います。

例えば、「〇〇さんのマネージャーの連絡先教えて」とか「〇〇さんのスケジュール知ってる?」などは日常会話です。

誰も出し惜しみすることなく情報を共有します。

それでいて「仲が良すぎる」ということもないので、個人的にはその温度感が心地良いなーと思っています。

あと、ドラマ室は企画募集の際、社員以外のスタッフも全員提出します。

そして、企画が通ればプロデューサーとして仕事をします。

他局さんのことは良く分からないのですが、これは珍しいことなのではないでしょうか。

自分も派遣スタッフだったAPの時に企画が通りプロデューサーをさせてもらいました。

ある意味実力主義です。

全員にチャンスがあるからこそ、ドラマ室全体のクオリティアップに繋がっていると思います。


テレ東ドラマのブランド力

Q2.「これって、テレ東っぽい!」と感じた“テレ東あるある”エピソードを教えてください!

出演頂くキャストさんの事務所とギャランティ交渉をする時、「すいません!テレ東なので…」と言うと、なんとなく想いが通じることですかね。笑

本当はたくさんお支払いしたいのですが…いつも申し訳なく思っています。

あとは、キャストの皆さんが面白がって参加してくれることです。

最近特に感じることが多くなりました。

それは諸先輩方がテレ東ドラマのブランドを築き上げてくれたおかげです。

「視聴率とか気にしなくていいんでしょ?」と、時々言われますが。笑

「いやいや、気にしますよ!」と心の中では思っています。



「バイプレイヤーズ」と「新宿セブン」

Q3.自分史上最悪のやっちまった仕事、もしくは、自分史上最高の忘れられない仕事は何ですか?

失敗はたくさんあります…バラエティをやっていた時もドラマをやっている今も。笑

「最高の仕事をした」といつか思えるよう頑張らなければと思っているので、ここでは忘れられない仕事を2つ。

初めてプロデューサーを担当した湊かなえさん原作の「望郷」や、亀梨和也さんを主演に迎えた東野圭吾さんの「手紙」、今放送している「神様のカルテ」など、色々と想いはあるのですが、1つは「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」です。

撮影もあと数日で終わるという時に、大杉漣さんが急逝されました。

深夜に一報を受けた自分は急いでタクシーで現場に向かいました。

最終回は部分的にしか撮影できてなかったので、OAも含めて中止か続行かキャスト、スタッフで話し合いました。あの時のみんなの顔は今でも忘れられません。

“きっと漣さんだったら放送しなよと言うんじゃないか”

結果的には内容を変更し、撮影・OAをすることになりました。

「映画をやりたいね」とおっしゃっていた漣さん…もうすぐ映画が公開します。漣さんがいたからこその「バイプレイヤーズ」です。きっと笑っているのでしょう。

自分の中では、生涯忘れられない作品だと思います。

バイプレイヤーズ2


もう1つ違う意味で忘れられない仕事、、2021年の今の自分に「忘れるなよ!」という仕事は、2017年に放送したドラマ24「新宿セブン」という作品です。

初めてメインでプロデューサーをやらせてもらった仕事ということもあるのですが(もちろんたくさんの人の協力があって成立しました!)、その時のスタッフに同世代が多く、その人たちの活躍が今の自分の原動力となっています。

映画『新聞記者』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲得した藤井道人監督や、Netflix『全裸監督』の脚本を務め、劇団「山田ジャパン」主宰の山田能龍さん、「デイアンドナイト」「新聞記者」など多くの作品の脚本を手掛ける小寺和久さんなど、今では大活躍中の皆さんです。

こういうことを言うと怒られるかもしれませんが、あの時、世間的にはまだ“名もなき人たち”だったのです。自分も含めて。

当時は夜集まって、原作を何十冊もテーブルに広げ、企画書を何枚も書き、必死に何かに抗っていました。

今ではなかなか時間が合わず、集まることができませんが、いつかまた一緒に作品作りをしたいなと思っています。

その時までは“負けられない”。

必死に置いていかれないよう自分自身に言い聞かせ、これからも努力を続けようと思います。

そういう意味では忘れられない仕事であり、忘れられない人たちであり、忘れてはいけない想いなんだと思っています。

新宿セブン

↑ 手元にあった「新宿セブン」の台本



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